第46章 泡沫トロイメライ

リナリーに力で止められたのかな、二人の頭に大きなタンコブが見える。
…流石。



「なぁに？ラビ」

「っい、いや。折角だし、ゲームで勝敗つけようかって…思ったんだけ、ど…その必要はなさそう、さな」



振り返った笑顔のリナリーに、ラビまでたじたじになる始末。
強くて素敵な天使様です、本当。



「あらっ楽しそうじゃないゲーム。それなら二人もスッキリするんじゃない？」

「え？あ、ハイ。します」

「…別に俺は」

「ん？」

「する」



わぁリナリーのお誘いであっさりと二人のゲーム参加が決まった。
凄い。



「なら折角だし、負けたら罰ゲームにしましょうよ」

「お、なんか楽しそうだなそれ」

「罰ゲームって何するの？リナリーちゃん」



笑顔で提案するリナリーに、最早誰も逆らえる雰囲気じゃない。
ノリ気なバズと、純粋に興味本位で尋ねるミランダさんに、彼女が告げたもの。



「ちゃんと罰っぽくしないと意味はなさそうだし…そうね」



それは、



「負けたチームは兄さんの実験室見学をしてくるってことで」



恐怖の肝試しでした。






























「ちょっ待っ馬鹿スターでこっち来んなさティモシィイイイ！！！」

「待って下さいティモシ…！ぶつかる！ぶつかるから！本当だったら人身事故ですか…あー！！！」

「はっはー！ゲームで負けたことはねーんだ、悪ィなあんちゃん達！」


「マママママリさん！バナナが！バナナがついてくるのだけれどどど…！」

「ミランダ、それはただのアイテムだ。捨てれば飛び散る」

「飛び散る！？！！」


「つーか、何処だ此処」

「ユウ逆走してるからそれ！道は反対！向こう！」

「あ？どうやって回転すんだよ」

「なんの為のスティーック！それ回して！捻って！ばっ違そこで回ったらぁあああ！落ちたー！！！！」

「…闇に消えた」

「違う転落！」



そして、ビビリなラビとアレンとミランダさんと私の悲鳴が主に響き渡る結果となった。

だってもうなんだかんだ夜だから。
こんな時間帯にあんなホラー映画観た後で室長の実験室見学なんて、絶対に心臓止まります。