My important place【D.Gray-man】
第46章 泡沫トロイメライ
「どーせリナリーが止めるさ。心配すんなってクロちゃん」
あ。
ラビも全く同じこと思ってたらしい。
「それよか折角だしゲームでもしようぜ、ゲーム」
「ってちょっと。人のベッド下漁らないでくれるっ?」
「や、ゲームないかなって。もしくはエロ本」
「ある訳ないでしょ!」
私女だから!
女がAVやエロ本見ないかって言われたら完全否定はできないけども、私はおかずにしないから!
「お、なんさあるじゃん!」
「えっ」
「ゲーム!」
あ、そっちね吃驚したエロ本かと…待て。
ゲームなんて娯楽物も持ってないはずだけど。
「あ。」
だけどラビの手でベッド下から引っ張り出されたのは、埃は被っているものの確かなゲーム機器。
任天堂さんの、とっても有名なもの。
あれって確か───
「あー!失くしたと思ってたやつ!」
過剰なまでに反応を見せたのは、巨体で立ち上がるバズだった。
あー…やっぱり。
思い出した。
結構前にバズがゲーム機持ち込んで、ファインダー仲間で一緒に遊んだんだっけ。
そのまま借りパクしちゃってたのか…
「道理で探しても見つからない訳だ…!おい雪!なんで黙ってたんだよ!」
「ごめんバズ、私もすっかり忘れてた」
あの時、結構なお酒の量飲んでた気がするからなぁ。
「モンハンにマリパにスマブラぷよぷよ桃鉄…なんさ、スプラトゥーン2はないのかよー」
「それはスイッチ対応ね」
こっちは古い型だから無理です。
「あっいいもん見っけ!これやろうぜ!」
勝手にソフトを漁ってたラビが、急に笑顔で掲げたもの。
それもまた有名なゲームソフトの一つ。
「マリカー!」
マリオカート。
その名の通り、マリオのキャラで競うレーシングゲーム。
「これなら皆で勝負できんじゃね?」
「皆って言っても人数に限りあるけど…」
「そこはチームプレイさ。おーい、アレンーユウー」
あ。
今の今まで存在を無視していた二人をラビが呼ぶ。
振り返れば…うわあ。
「二人が暴れてティモシーやエミリアが怪我したらどうするの?」
「…スミマセン…」
「…お前の方が暴れ」
「ん?」
「すまん」
笑顔で威圧するリナリーを前に、正座させられてるアレンとユウが見えた。
…流石。