My important place【D.Gray-man】
第46章 泡沫トロイメライ
「急に叫ばないでよ、吃驚するわね」
「エミリアがいきなり肩なんか叩くからだろ!?」
「ただ触っただけでしょ。…怖いならなんでついて行ったのよ」
「こ、こ、怖くなんかねーやいッ!ついて行ったのはアレンあんちゃんに誘われたからで…!」
「え?僕?」
「そういえばアレン君、ティモシーも一緒にどうって聞いてたわね」
「怖がりなのはあんちゃんだから!どーせ一人じゃ観られなかったんだろ!」
「い、いやいや…そんなことないから!リナリー変な目で見ないで下さい!」
「見てないけど…怖いの?アレン君」
「ぃいいえいえいえ!」
わぁわぁとこれまた騒ぎ立てているのは、アレンとティモシー。
その傍にはリナリーとエミリアの姿もある。
あれ、付き合ってないにしても仲良しだよね…あの二人組セットよく見掛けるし。
教団って戦闘組織だけど、割と花咲いてるんじゃないかなぁあちこち春のような気がする。
そしてアレン、その焦りようは嘘っぽく見えるから…怖がりなのはもう知ってるよ。
というかラビに負けず劣らず、顔あちこち腫れてるよ。
原因はユウと一悶着したからなんだろうけど。
「チッ!」
不意に響き渡ったのは盛大に苛立った舌打ち。
今の今まで黙って私の隣にいたユウが、とうとう荒い態度を見せた。
腕組みした仏頂面で、いつ堪忍袋が切れても可笑しくない気配を醸し出してたけど…アレンに反応するところ、やっぱり犬猿の仲なんだなぁと思う。
「うるっせぇな。怖いならノコノコついて来るんじゃねぇよビビリモヤシ」
「ビビってなんかいません。ああでも神田の頭の悪さにはビビリますね流石に」
あ。
そしてアレンも潔く喧嘩を買った。
あーあ…これでまた喧嘩が始まるんだろうなぁ…好きだよね本当。
「ァあ?テメェの頭の方がよっぽど馬鹿っぽいだろ爺が!」
「女顔よりお爺さんの方が余程マシですね女型さん」
「誰が女だ誰が…!」
「聞こえませんでした?もう一度言いましょうか」
「あーあ…また始まった…」
「ど、どうするであるか雪…!」
「うーん…」
オロオロと慌てるクロウリーには悪いけど、私もう疲れたかな…。
だって止めるの今日もう三回目だよ…。
この場にはリナリーがいるし。
天使が喝を入れれば止まるんじゃないかなぁ。
私もう他人でいたいです。