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My important place【D.Gray-man】

第46章 泡沫トロイメライ



確かにトクサの言う通りだったけれど、でもその言葉はまた仮面を被られて一線引かれてるような気になる。
…昔の私もそうだったから、そこを否定なんてできないんだけど…それなら。



「わかった。それなら、」

「?」

「ありがとう」

「………は?」



謝罪が駄目なら、これしかない。
はっきりと礼の言葉を伝えれば、薄く開いていたトクサの目が今度こそ大きく見開いた。

うわぁ、珍しいなぁその顔。
狐に摘まれたような顔だな。



「私のその意志に沿ってくれたでしょ」



本来なら監視しないといけない身なのに、あの時は私の言う通りに追いかけて来なかった。



「だから、ありがとう」

「………」



もう一度告げる。
今度は笑いかけてみた。
トクサにこんな顔向けたことないからな…少し、顔引き攣る感じするけど。



「…無理矢理笑顔を作るのはお止めなさい。気持ち悪い」

「ちょっと」



人が歩み寄ろうとしているのに。
相変わらず口悪いですね!



「全く、とんだ変わり者ですね。貴女」

「トクサには言われたくないような気が…」

「私より遥かに奇人ですよ良かったですね」

「褒められてる気がまるでしない!」

「はいはい。それでテワクは?」

「あ、テワクなら部屋まで送り届けてくれて…今はユウと一緒に───」

「部屋に戻る途中だ。お前の出番はねぇよ」



あ。
状況を説明しようとすれば、ずいっと後ろから割り込んできた長身長髪の姿が。



「戻ると言うのは彼女の部屋に、ですか?」

「それ以外に何がある」

「へえ。一発ヤるんですか?」

「ちょぉおおい!?!!」



何サラッと笑顔でとんでもないこと言ってんの!?
此処、公共の場!
食堂の出入口!



「トクサ!?」

「はい?」

「何言ってくれちゃってんのかな…ッ?」

「何、とは。ナニ」

「あーあーあー!」



やっぱりいい!
そうだったこの人笑顔で下ネタ投下してくる人だった!



「映画鑑賞するだけだからッ室内遊びの一種!」

「アダルト映画でも観るんですか?」

「違います!」



なんでそこユウと同じ思考なの…!
実は仲良しなんじゃないの二人共!

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