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My important place【D.Gray-man】

第46章 泡沫トロイメライ



「じゃあなんかあるのかよ」

「そうだなぁ…」



こうしてまったり駄弁り合うのも悪くはないけど。
でも折角のお互いのオフタイムだし。
偶には何か違うこと───



「あ、そうだっ」

「?」

「確かここに丁度良い品が…」

「なんだよ?」



ユウの膝から下りて、棚の引き出しを漁る。
色々忙しさが祟って借りっ放しにしてたんだった、そういえば。



「前にバズにね、借りたDVDがあるの。あれでいて映画好きだから色々勧められることよくあって。折角だしユウと観賞」



でも、と言い終わる前に、がしりと腕を掴まれる。
振り返ればすぐ目の前に怖い顔したユウが立っていた。

いつの間にこっちに来たの怖っ



「AVか」

「なんで」



そして突拍子もない名を聞かされた。
何故にAV。



「お前、仲間内から借りてるって前に言ってただろ。AVだったらあいつとお前を殴る」

「なんで!?」



思いっきりとばっちり!
というかAVなんて借りてないから!
今は!



「いいから見せろ」

「あ、ちょっと…ッ」



私の手から毟り取るようにユウが奪ったAV…じゃなかったDVDのパッケージ。
真っ黒な背景のパッケージを見たユウは、不満そうに眉を潜めた。



「長髪女が好みかあいつ」

「違うから。どう見たって映画の主演女優だから。そしてそれエロじゃなくホラーだから」



そのおどろおどろしいパッケージでよくAV判断できるね。
どこからどう見てもホラーでしょ。



「外は単なるカモフラージュかもしんねぇだろ」

「うわぁ…とことん信用されてない」



疑い深い目でパッケージを開くユウに、もう感心の溜息しか出なかった。
なんだろう、この隠してる卑猥な本を見つけられた彼氏のような心境。

…私、女だけど。

予想通り、開けても中は疑いようのないホラー映画の円盤。
どこからどう見てもホラーの…というかどこからどう見ても本当にホラー。
教団で働いてる影響なのかな…バズってホラー好きだよね。



「ほらね」

「チッ」

「何故舌打ち」



残念そうな反応しないで下さい。
殴られるのはごめんです。

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