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My important place【D.Gray-man】

第46章 泡沫トロイメライ



「もう…そのすぐ手を出す癖やめてよね…」

「これのどこが手を出してるってんだよ。大したことしてねぇだろ」



大したことなくても、普通そんなこと恋仲相手にしないでしょ。
有無言わさずドアップでガン飛ばしてカツアゲ並の脅し掛けたりしないでしょ。

色々間違ってるから。



「で、なんなんだよ」



解放された顎を擦りながら、ユウをジト目で見やる。
聞こえなかった言葉を催促しているらしい。
その癖、相変わらずな態度に思わずむすりとしてしまった。

確かにティモシーの言う通り、偉そうなところはあるかもね。



「…なんでもない」

「あ?」



そんなユウに私ばっかり大人しく従うのも、なんだか癪で。
だから今回は少しばかり抵抗してみることにした。



「ユウくらいの洞察力があれば、なんて言ったかくらいわかるでしょ。考えてみたら」

「は?」

「そんな大した話でもないし。ユウならわかるよ」



あの独房で、しっかり伝えたんだから。
ユウと共に生きていたいって。

ティモシーとエミリアがいる手前で改めて口にするのも、なんだか照れるし。
ユウの横暴な態度に従うのも、なんだか癪だし。

食堂の席を立って、空になった皿の乗ったトレイを持ち上げる。



「報告書仕上げるまでに思い出さなかったら教えてあげる」

「何言ってんだよ、報告書はもう仕上がってんだろ」

「あんな穴だらけで?」

「っ」



あ。

本日二度目。
ユウが机の角を握った手で、バキリと砕…いや机の角を掌で砕くって。
どんだけ握力凄いの怖い。

本当、体力馬鹿なのはファインダーじゃなくて目の前の怖い顔したエクソシストだと思って止まない。

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