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My important place【D.Gray-man】

第46章 泡沫トロイメライ



ユウは、ノアのことについてあれこれと深くは聞いてこない。
ラビなんかは仕事柄や性格上なんだろうけど、遠慮がちにでも色々聞いてくる。

別にノアのこと、聞かれるのが嫌って訳じゃない。
だってそれは私のことを知ろうとしてくれている理由の一つでもあるし。
教団でノアとして身を置いている私からすれば、それで私への理解を深めてくれるならありがたいことだ。

でもユウがあれやこれやと問い掛けてきたのは、教団の独房で初めてノアのことを吐き出した時だけ。
あの後は一度も、ノアのことについて尋ねてきたことはなかった。
興味がない訳じゃないことは、もうわかってる。
きっとユウなりに私のノアとの関係性の距離を図ってるんだろうな。

それは今までユウをずっと見てきたから、なんとなくわかること。



「また明日ね、ユウ」



だからそこに不安はない。
笑って声を掛ければ、僅かにユウの視線が動いた。



「…ああ、」



簡潔で手短な言葉だけど、それだけで充分だ。
否定じゃなく、ちゃんと私の言葉を受けてくれた証。

"また"

そう呼び掛けて応えてもらえることは、何より私には大事なことだから。



「いつまで喋っているんですか。さっさとついて来てくれませんか?」

「はいはい。じゃあね皆。ティモシーはちゃんと報告書作っておくように」

「ぅえ…エミリアみたいなこと言ってんなよ、雪ねーちゃん…」



いつも報告書サボろうとするからでしょ。

嫌そうな顔をするティモシーにひとつ笑って、先の廊下で待つトクサに顔を向け直す。
進む足取りは、思いの他重くはなかった。









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