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My important place【D.Gray-man】

第45章 10/31Halloween(番外編)



「ねぇティモシー」

「ん…?」



しゅんと凹んでいるティモシーの隣に腰を下ろして、優しく声を掛ける。
眉を下げつつ顔を上げるティモシーに、エミリアは笑いかけた。



「仕事が終わってからになっちゃうけど、後でハロウィンのお祝いでも───」

「ハッピーハロウィンンンン!!!!!」



其処へ突如として舞い込んできたのは、真っ白な謎の塊。



「きゃ!何っ!?」

「うわぁ!?」



ゴロゴロとまるで風車の如く、勢いよく転がり突っ込んでくる白い"何か"。
それは確かにはっきりと本日メインとなる言葉を発しながら、勢い余ってドゴン!と壁へと衝突した。

一体全体なんなのか。
壁にめり込んだ謎の白い物体に、恐る恐る目を向けたエミリアとティモシーは驚愕した。



「し…室長!?」

「ボスぅ!?な、何やってんだよ…!大丈夫かっ?」

『えらい登場の仕方やっしゃ…なんで教団のお偉いサンが此処におんねやろ』



真っ白い謎の塊。
それは白いローズクロスの室長服に身を包んだ、この教団で一番偉い人物───コムイ・リー。

真っ先に行動したティモシーが、慌てて壁にめり込んだコムイを引っ張り起こす。



「あはは…ありがとうティモシー。ちょっと息抜きに散歩してたら、つい転がり込んじゃったよ」

「散歩でどうやったらそんな回転する羽目になるんだよ…」

「やだなぁ、お茶目だよお茶目☆散歩がてら鬼ごっこしてたらついはしゃいじゃって☆」

「散歩がてらに鬼ごっこ?」

『どうせまた仕事サボって逃げよったんちゃうの…』



あはは、と明るく笑うコムイの真相を的確に突いたのは、呆れ顔の憑神。
しかし残念なことにその的確な突っ込みが届くのは、この場ではティモシーのみ。
まだコムイ・リーという人間をよく知らないティモシーが、そこに気付くこはなく。
いつもの如くフェイとリーバーという仕事の鬼から逃げてきたコムイの真相に、ずばり突っ込む者は誰もいなかった。

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