• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第14章 黒の教団壊滅未遂事件



 エクソシストに対して私は無頓着だったから。
 任務仲間としては意識してたけど、それ以上の感情は向けなかった。

 思わず何も言葉が出てこなくて黙り込んでしまう。
 でも神田はそういうこと、気にしないと思ってたのに──


「モヤシのことは普通に見てやがる癖に、なに贔屓してんだコラ」


 ってそれただのアレンへの対抗心!

 何それ、珍しいなぁなんて思ったのに。
 やっぱり神田は神田だった。
 思わずベッドに横になったまま脱力する。


「もう…アレンと張り合うのはいいけど、私を巻き込まないで下さい…」

「張り合ってねぇよ、あんな奴に」


 いえ、すんごく張り合ってます。

 脱力したまま言えば、心底嫌そうな顔をする。
 その目は真っ直ぐに私を見下ろしたままだったけど。


「…俺を見て、テメェの目は俺を一度も見なかっただろ」


 直後、吐き捨てられた言葉にはっとした。
 それは私が幼い頃に感じたものと同じだったからだ。





『貴女はうちの子じゃないんだから』


『立派なエクソシストになろうね』





 私の世話をしてくれた小母さんと、あの地下の部屋で接してきた教団の人々。
 私を見ながら、一度も私を見なかった。
 あの目は少しだけ嫌いだった。
 だって私の存在は認めてくれているのに、私の居場所はその何処にもなかったから。


「…っ」


 それと同じことを神田にしてたんだ、私。
 そう思うと、何故か胸の奥がぎゅうっと締め付けられた。

 自分が嫌だと感じたことを、この人にしてしまった。
 そんな自分が堪らなく嫌に感じた。


「…っ」


 あ、駄目だ。

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp