My important place【D.Gray-man】
第14章 黒の教団壊滅未遂事件
エクソシストに対して私は無頓着だったから。
任務仲間としては意識してたけど、それ以上の感情は向けなかった。
思わず何も言葉が出てこなくて黙り込んでしまう。
でも神田はそういうこと、気にしないと思ってたのに──
「モヤシのことは普通に見てやがる癖に、なに贔屓してんだコラ」
ってそれただのアレンへの対抗心!
何それ、珍しいなぁなんて思ったのに。
やっぱり神田は神田だった。
思わずベッドに横になったまま脱力する。
「もう…アレンと張り合うのはいいけど、私を巻き込まないで下さい…」
「張り合ってねぇよ、あんな奴に」
いえ、すんごく張り合ってます。
脱力したまま言えば、心底嫌そうな顔をする。
その目は真っ直ぐに私を見下ろしたままだったけど。
「…俺を見て、テメェの目は俺を一度も見なかっただろ」
直後、吐き捨てられた言葉にはっとした。
それは私が幼い頃に感じたものと同じだったからだ。
『貴女はうちの子じゃないんだから』
『立派なエクソシストになろうね』
私の世話をしてくれた小母さんと、あの地下の部屋で接してきた教団の人々。
私を見ながら、一度も私を見なかった。
あの目は少しだけ嫌いだった。
だって私の存在は認めてくれているのに、私の居場所はその何処にもなかったから。
「…っ」
それと同じことを神田にしてたんだ、私。
そう思うと、何故か胸の奥がぎゅうっと締め付けられた。
自分が嫌だと感じたことを、この人にしてしまった。
そんな自分が堪らなく嫌に感じた。
「…っ」
あ、駄目だ。