My important place【D.Gray-man】
第14章 黒の教団壊滅未遂事件
ワクチン作りは支部長と蝋花さんで行っているらしく、隣接された拷問部屋(室長的には治療室だろうけど)に残されたのは、私と神田の二人だけ。
腕組みして壁に立ったまま凭れている神田は、明らかに待機の姿。
その姿から視線を外して、ぐるりと辺りを再度見渡してみる。
「…うん」
この拷問部屋、凄く目のやり場に困る。
見渡せば大きな手術でもするつもりなのか、メスやハサミの小さな治療器具から、目を疑うようなドリル状の大きな器具まである始末。
後は…キャスターの付いた小さな引き棚。
その上に並べられた、銀色に鈍く光る治療器具。
そういえばこれ、見たことある。
何処でだったっけ。
『雪ちゃん、検査の時間だよ』
…ああ。あの時だ。