My important place【D.Gray-man】
第13章 夢現Ⅰ
「っッ…!」
どくどくと体中を覆う不快感。
頬の血管がぴきりと張るのを感じる。
本当に神田に担がれたままゾンビになってしまう。
それがどうしようもなく嫌に感じた。
こんな醜態、見せたくないのに。
見捨てないでいてくれるのは嬉しいけど、もしゾンビになって神田を襲うようなことがあれば。
それが何よりも嫌だった。
「ッ──…!」
走って運ばれる為に、ぐらぐらと揺れる視界と頭。
そんな中、体中は不快感で満ち満ちて、意識が理性のない本能に塗り潰される。
──ズキ
その時、額を鈍い痛みが走った。
「っ」
そしてくらりと、思考は暗転した。