My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
ガチャッ
目の前のドアノブに触れる瞬間。
その一瞬前にタイミング良く結界は解除され、ガルマーの手が金属製のドアノブに触れた時には、解除の電流のような衝撃は去った後だった。
あっさりと鍵も掛かっていないドアを開き切る。
「なんだよ、あっさり開くじゃねー」
そんな簡単に開いたドアの向こう側。
見慣れた孤児院の廊下がガルマーの目に映る。
はずだった。
「か…?」
しかしその目に映ったのは、半壊した廊下で脱力気味に待機している黒服の面々。
そして驚き固まる彼ら全員、何故か血に塗れて身形もボロボロだった。
「なんでお前ら血だらけ…?」
「…というかなんで警部?」
思わず神田達を凝視するガルマーに、同じく唖然とアレンも返す。
てっきりジジ達が顔を見せるかと思っていたのに、何故パリ警察署の彼が。
「ぱ…っパパ…!?」
「エミリア!? お前血が…ッてなんじゃこりゃあぁああ!?!!」
廊下の奥から小走りに駆け寄ってくる娘の声。
見れば見慣れた真っ白なブラウスは、真っ赤に染まっているではないか。
慌てふためきながら孤児院の中に踏み込む。
そこでやっと建物内の有様に気付き、ガルマーは驚愕の悲鳴を上げたのだった。