My important place【D.Gray-man】
第11章 黒の教団壊滅事件Ⅳ
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「太り過ぎだろ、テメェ」
履けば余裕のあるズボンのウエストに、溜息混じりにベルトでそれを締める。
床に転がってるそいつは、拳を一発打ち込めば易々と意識を飛ばした。
警護班だろうが、もっと体鍛えとけよ。
「恨むなよ」
見下ろす体は引ん剥いたおかげで裸同然。
警護班専用のジャケットに腕を通して、具合を確かめる。
恨むなら、この馬鹿げた状況を作り上げた張本人のコムイを恨めよ。
「──さて、」
偶々部屋の前にいたゾンビから服を借りて、改めて辺りを見渡す。
薄暗い廊下に他のゾンビは見当たらない。
一人で出ていった月城は何処に向かったのか。
そもそも、なんの為に黙って出ていったのか。
それがわからない。
「…トイレか?」
それでもわざわざ黙って行くか、普通。
何かあった時の為に、最低限の連絡はしていく。
寧ろ任務中は、俺にそうしろと煩く注意してきていた奴なのに。
そもそもなんで、あいつが起きた時に俺は目覚めなかったのか。
あんな至近距離で寝ていた奴が起きたら、目が覚めてもおかしくはないはずなのに。
「…薬の所為だな」
科学班の妙な薬で体を小さくさせられて、普段より体が疲れていたから起きなかったんだろう。
そう結論付けて、どことなく足を踏み出す。
とりあえずトイレから、しらみ潰しに捜すか。