My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
発動もしていない六幻の刃じゃ、普段の切れ味の5分の1も効果はない。
それでもこうして柔らかい肌に押し付ければ、多少の傷くらい付けられる。
ぽたりと僅かに滴る血が六幻の黒い刃を伝う。
出所は抱えたガキの顔からだ。
それを目の前にしたGは、まるで死の宣告を受けたかのような顔をした。
「貴方昨日パパの所で会った…ってやめなさいよ! ティモシーを放してッ!」
「そうだぞ神田、いくらなんでも子供相手に脅しなんて…」
「ガキだろうが関係あるか。こいつは犯罪者だ」
雪の前で誓ったんだよ。
Gがガキだろうが女だろうが必ず捕まえる、容赦はしないってな。
慌てて止めに入るエミリアって女とマリの言葉には耳を貸さず、俺の目はGから外さない。
まさかそっちから舞い込んで来てくれるとは好都合。
逃がす気は更々ねぇんだよ。
だからいい加減諦めろ。
「最後のチャンスだ。5秒やる。その間に正体を自白しなけりゃ斬る」
「おっ…おま…なっ…それ…!」
何言ってるかわかんねぇよそれじゃ。
「いーち、」
ざくっ
「ギャー! オレの体ぁああ!! ってもう斬ってんじゃねぇかぁああ!!!」
「悪い手元が滑った」
「嘘つけ!!!!」
男だろうがこれくらいでピーピー喚いてんじゃねぇよ。
大袈裟な奴だな。