My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
「…しっかし、なんだったんだあいつら」
昔のことを思い返しながらむかつく心を落ち着かせていたら、今度は疑問が湧いてきた。
「オレと同じで変な能力持ってたけど…」
…そういや…白髪頭が持ってた、体を貫通させる痛くない剣とか。
あいつの傍にいた金色の鳥みたいなモンも、なんだったんだアレ。
鳥みたいな羽を持ってんのに、丸い体はまるで鳥じゃなかった。
大体オレが乗り移った金髪のあんちゃんなんて、今まで乗り移った大人の誰とも違ってた。
変な札みたいなモン使って相手の動きを封じたり、壁を抉るくらいの力技持ってたり。
あの連中はぜってー普通の人間じゃない。
「……」
…もしかして……オレと同じ?
「…なーんてな」
ってそんなはずないか。
あの体内に乗り移る能力は、オレしか持ってねーもんだし。
あいつら、額に変な玉なんて付けてなかったしな。
…白髪頭の方は、なんか顔に星形の変な模様みたいなモン付けてたけど…玉じゃねーし。
きっと気の所為気のせ──
「ベンキョーの時間でーす…」
言い聞かせるように心の中で繰り返していたら、後ろからふらりと漂う静かな声に止められた。
思わずビクリと体が硬直する。
…まさか。
さっきまで離れた廊下で聞こえてたBGMなのに…なんで真後ろから聞こえるんだ。
…き、気の所為気のせ…
「気の…」
「確保ォオ!!!」
「ギャー!!!!!」
ギギギ…と恐る恐る首を捻って振り返った瞬間、飛び掛ってくる女豹が目に飛び込んできた。
思わず上がる悲鳴。
そういうところガルマーそっくりだよな!
まじで女ガルマーだから!