My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
✣
『──はい?…すみません神田、ちょっと電波悪いみたいでよく聞こえなかっ』
「だから此処で一泊するつってんだろうが。聞こえてねぇフリすんなコラ」
わざとらしいんだよ、その反応。
『何言ってるんですか、警察署で寝泊りなんて。ガルマー警部が許すはず──』
「許可なら取った」
『ええっ!?』
正しくはあの銭形ってデカからだけどな。
そんなこといちいちモヤシに説明する気はないから、用件だけさっさと告げる。
「怪盗Gの出所は突き止めたんだろ」
『ええ、まぁ……時間帯も時間帯なので、夜が明けてから尋ねることになりましたけど』
「なら問題ねぇだろうが。朝には合流する。切るぞ」
『ちょッ待って下さいよ! 寝泊りって、ルパンはもう逃げたでしょ!? 其処に残る理由なん』
ブチッ
「あ。」
ギャーギャー煩いモヤシの声を遮断するように通信ゴーレムの回線を切れば、後ろから小さな反応が返ってくる。
首だけ捻って振り返れば、聞き耳を立てるようにガラス越しにへばり付いてる雪と目が合った。