My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
「その手当ては自分でしたのか」
「ぁ…ううん。此処の警察の人がしてくれたみたいで…」
「みたいってなんだ。なんで曖昧なんだよ」
「や…私、気絶しちゃってたから…」
「気絶?」
そう心配しなくていいかと思った矢先。聞き捨てならない言葉に、思わず眉を潜める。
なんだ気絶って。
その状況を問いかける前に、わらわらと雪の傍に寄るジジ達が代わりに口を開いた。
「さっきも言っただろ。気付いたらオレたちゃ、この恰好で牢にぶち込まれてたんだよ」
「いつの間にか意識が途切れてて、気付いたら警察に捕まってたんです~…」
「あ、そういえばそんなこと言ってたっけ…って。なんでそんなことになってるんですか」
「それは…面目ないッ…だがしかし! 此処に収容されたお陰で、我々は一つ大きな確信を得た!」
モヤシの問いかけに、びしっと人差し指を立てて高らかにジジが胸張ってものを言う。
確信?
「今回のイノセンスは、"怪盗G"と関係してるぜ!!!」
……。
……………。
……………………。
「「……」」
「なっなんだよその目は! こんな阿呆みたいな恰好してるが、言ってることはマジだぞ!!」
思わず無言でモヤシと、阿呆発言する阿呆な格好のジジを見下す。
本当かよ。
自分が阿呆なことに巻き込まれちまったから、ただ言い訳してるだけじゃねぇのか。
「…で? その確信の元は?」
仕方ないとばかりに溜息をつきながら、モヤシが話の先を促す。
「ああ、それなら…バズ! ゴズ!」
「おうっ」
「はいっ!」
ジジの呼びかけに、そそくさとでかい図体を折り曲げるファインダ…何してんだお前ら。
「ありがと♡」
床に四つん這いになった二人の背中をまるでソファー代わりにでもするかのように、横に寝そべる知らない女…いや男が一人。
雪達同様、ふざけた衣装姿の男。
………男、だよな。