My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
独房にぶち込まれたとは聞いていたが、まさかそんなふざけた格好をしているとは露にも思わず。
一見遊んでいるように見えなくもない服装に、なんとなくイラッときた。
「テメェら何やってやがる」
「「「わーっごめんなさいぃいい!!!!!」」」
そのまま硝子に向かって蹴りを一発入れれば、みしっと柵ごと楕円形に凹む。
一気に顔を青く抱き付き合って後退るジジ達。
当たってねぇだろ、逃げんなコラ。
「そ、それがっ…オレ達も何がなんだかさっぱりで…っ!」
「この街の人間に奇怪なことが起こってるってんで、イノセンスじゃねぇかと調査しに来たんだよっ」
「コムイから聞いてる。その後、お前らからの通信が途絶えたってな」
必死に弁解するように叫ぶゴズとジジ。
そういや雪も似たようなこと言ってたな…ってちょっと待て。
「調査をしてたはずなんだ! なのに…っ」
「気付いたら…っ」
「…こんな格好で牢にブチ込まれてて…ッ」
「「はぁ?」」
がくりと項垂れ、涙ながらにぼやくジジ達に呆れの声しか出ない。
モヤシと言葉が重なったってのは気に喰わないが。
なんだそれ、捕まった覚えもないってのかよ。
一体どういう……ってだからちょっと待て。
硝子越しに項垂れて嘆いているのは、ジジとゴズとバズ。
今回のパリでの調査任務は、科学班一名にファインダー三名だと聞いている。
……一人足りねぇぞ。