My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
「信じてくれよガルマー警部!」
「オレたちゃ被害者だ!」
「犯人はGだ!!」
「俺達が犯人なら、盗まれた金品は何処いったんだよーっ!!」
「煩ぇな! 現行犯で捕まっといて往生際悪ィぞお前らッ!」
わらわらと硝子張りの壁のその下の柵から、伸びた独房の連中の手がガルマーの足に縋るように絡む。
「いいや警部…いくらアンタでももういい加減気付いてるはずだ。ワシらの言ってることが真実だとな! 怪盗Gは普通じゃない!」
その中で一際歳老いた老人が硝子に張り付いて声を上げると、ガルマーの動きが止まった。
はっとしたように老人を見返す。
言葉の意味に気付いているのか、空気に緊張が走る。
──が、
「…は? ナンノコトカナ?」
「ああっまた遠い目に!」
「とぼけやがって!」
「警察が真実から目を背けていいのかーっ!!」
「そのやつれは心労だろうが!!」
思いっきり死んだ目でカタコト発言をするガルマーに、独房の連中は一斉に怒りの声を上げた。
……。
……………。
…………………なんだこれは。
「話が全然見えねぇ」
「僕ら置いてかれてますね」
全く持って話が見えず、意味不明。
完全に置いていかれてる状態。
大体、俺達は怪盗を捕まえに来たんじゃねぇんだよ。
ファインダー部隊の連中を釈放しに来たんだ。
「…エクソシスト…?」
カシャン、と柵を掴む音。
俺達の名称を呼ぶ声を耳に、はっとして振り返る。
「其処にいるのはエクソシストか!?」
今度ははっきりと呼んだ。
教団の者しか知らない、その名称を。
そいつは通路を挟んで反対側の独房の硝子に張り付いていた。
周りの連中と同じに、ふざけたツナギの衣装を着た無精髭の男。
「来てくれたんか~っ!」
「助かったぜー!」
「わぁあ助けて下さいぃ~っ!」
「ジジ!? ファインダー部隊も!」
モヤシの言葉通り。
それは科学班のジジとファインダー部隊の連中だった。
全員が同じツナギの衣装姿で、硝子に情けなく張り付いている。
…なんだそのふざけた格好は。