My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
「ああいや、此処に我々の身内が拘留されてると聞いたのだが…面会させて頂けないか?」
ギロリと睨み合っていると、その間にやんわりとマリが口を挟んでくる。
マリの問いかけに、ガルマーの顔がはっとした。
その目は俺達の団服の胸で止まっている。
どうやらローズクロスの紋章に気付いたらしい。
「あんたらもしや…黒の教団…!?………本当だったのか…」
本当?
半信半疑で教団に連絡でも寄越したってことか。
「面会、お願いできますか?」
にこりと愛想よく笑うモヤシに、ぐっと押し黙ったガルマーが女の腕を掴む。
「仕事の邪魔だッエミリア、お前は帰れ!」
「んま…っ何よもー偉そーに! フンだ!」
娘を警察署の外に追いやって、ほっとしたように息をつく。
邪魔というより、此処に置いておきたくなかったんだろう。
「はぁ…案内する。ついて来てくれ」
娘を追い出して落ち着いたのか。疲れた様子で向けてくるその顔は、改めて見ると酷くやつれていた。
仕事が忙しいってのは強ち嘘じゃないらしい。
溜息混じりに足を進めるガルマーに、案内された先は地下──鉄製の重い柵の扉で閉ざされた、警察署の独房だった。