My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
意表を突くコムイの笑顔。
いつもよく見ているいけ好かないニヤけ顔じゃなく、リナ相手に時折見せているような優しい微笑み。
「…チッ」
そんな笑みを前にすると、吐き出そうとしていた悪態はどれも出せなくなってしまった。
仕方ないから、舌打ち混じりに視線を外す。
「もういいだろ。さっさと任務に行くぞ」
「神田が指揮取らないで下さいよ…ッ」
踵を返して司令室のドアに向かう。
後を追うイラつくモヤシの声を耳にしながら。
「あ、待って待って皆」
それを止めたのは、もういつもと同じ雰囲気に戻っていたコムイの声だった。
「連絡が途絶えた雪くん達のことなんだけどね、ついさっきパリの警察から連絡が入ってさ」
「え?」
「パリの警察?」
足を止めて振り返る。
高そうな机に両肘をついて重ねた両手の上に顎を乗せたまま、コムイはにっこりと笑った。
それはさっきの優しい微笑みなんかじゃない。
にっこり笑顔の見本みたいな顔で。
「どうやら雪くん達は、警察署に拘留されてるみたいなんだって」
「え。」
「は?」
「拘留…?」
モヤシと俺とマリの声が重なる。
拘留って…警察にしょっ引かれたってことかよ。
………何やってんだあいつ。