My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
「………神田くんもパリの任務に同行したいって?」
「ああ」
司令室。
相変わらず書類が散乱して汚い床を踏み付けたまま、目の前の高級そうな椅子に座っているコムイを見据える。
まじまじと見てくる眼鏡越しの目を見返して頷いた。
「僕は反対です。エクソシストなんて二人いれば充分でしょ。反対です」
「じゃあテメェが外れろよ。行きたい奴が行けばいいだろ」
「任務に指名されたのは僕とマリです。なんで後から割り込んできた神田に、譲ってやらなきゃならないんですか」
「うるっせぇな。後先なんて関係ねぇだろ。テメェより俺の方が実力は上だ」
「は? いつ、誰が、そんなこと言ったんですか。前の組み手だって勝負ついてないでしょっ」
「なら今此処で決着つけてやろうかッ」
「ハイハーイ、此処で喧嘩しなーい。そんなに衝突するなら二人共任務から外すよー」
横でいちいちと煩いモヤシに噛み付く。
するとパンパンと手を叩きながら吐き出されたコムイの言葉に、つい押し黙った。
「まぁ神田くんの次の任務は決まってないしねぇ…同行させても不都合はないんだけど。ねぇフェイくん?」
「ええ、…しかし…この二人を組ませるのは聊か問題かと」
「そーだねー。いっつも喧嘩するもんねー」
にこにこと見本みたいな笑顔を顔に貼り付けてくるコムイに、思わず眉を潜める。
仕方ねぇだろ。こいつとは相容れねぇんだよ。
「でも今回はマリくんが一緒だし。君がいれば、少しは緩和されるかな」
「…最善は尽くしてみます」
コムイに話を振られたマリが、苦笑混じりに頷く。
…ってことは、俺は任務での同行を許可されたのか。