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My important place【D.Gray-man】

第39章 夢現Ⅲ



「ん? ユウそれどーしたんさ」

「あ?」


 二組の癒しカップルとの差を考え込んでいると、ラビの観察得意な目がそれを見つけてしまった。
 翡翠色の片目が向いているのは、ユウの首筋に付いた歯形。

 あ。


「首筋の噛み跡。クロちゃんにでも噛まれたんさ?」

「違ぇよ」

「へ?…ま、まさかまたコムイのゾンビウイルスとか…っ」

「な訳あるか」

「じゃあなんなん──」


 そこまで言いかけたラビの口が止まる。
 不思議そうに沈黙を作った後、急にばっと何故か顔がこっちに向いた。
 そして目が合う。

 え、何。


「……」

「な…何」


 じーっと見てくる目に居心地の悪さを感じてると、


「まぁ…程々にな」


 意味深にそんなことを呟かれて、ぽんと肩に手を置かれてしまった。
 思いっきり顔を背けられて。


「ちっ…」


 違う!
 と言いたいけど違わないから言えない!

 というかなんでそれだけで悟んのなんで私とユウの仲知ってんの!?
 ラビにもバレてるわけ!?
 本当プライバシーないね此処!


「まぁ神田くん、どうしたの?その首の跡」

「ほんとだ。どうしたんですか?それ」

「首の跡?」

「そっか、マリは見えないんでしたっけ。歯型が付いてるんですよ」

「クロウリーに噛まれたんじゃないの?」


「ァあ? だから違うつってん」

「わーっ!!!」


 思わず顔を真っ赤に口をパクパク開閉させることしかできずにいたら、今度はわらわらと集るアレン達に叫ばざる終えなかった。










 本日の教訓。

 虫除けに噛み跡はやめた方がいい。

















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