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【A】たまには(気象系)

第4章 EMPTY



トラブルメイカーを口ずさむ杏奈にハモりながらも、俺はまだ食い下がる。


「ムードなんてさぁ、他のメンバーも作れるじゃん。ニノとか翔ちゃんとか…マツジュンだって盛り上げんの上手いしさ」
「あれあれぇ?リーダーには勝ってるんだ?(笑)」
「だってリーダー、MCん時もあんま喋んないし…。あ、でも何かしたら絶対ウケんだよなぁ。そう考えるとリーダーは~…打率がいいのか!?」
「ダリツ?」
「あー!くっそー!誰にも勝ってる気がしね~!!やっぱ俺ってなんもね~~ッ!」


頭を抱えて暴れてる俺を見下ろし、杏奈は――クスクス笑ってるしっ!!


「……何がおかしいの」


かなり傷つくよ?だってさ。杏奈はカノジョでしょ?いわば俺の唯一の味方でしょ?

なのに

なんでそんな楽しそうに笑ってんのっ!いとしの彼氏がこんなに悩んでんのに!!


「べっつに?ふふっ」
「なーにっ。言ってよ!何で笑ってんのっ?」
「うーん…」
「何?ね、気になるから。俺笑えるようなこと言った?ねえ。ねーえってばっ!!」
「…ふふ。あはははっ」


…だから。

なんなの、そのステキな笑顔はさ。

ねえ。


「ごめんごめん…。うん、ふふ。やっぱり雅紀は元気だなぁ、って」


う。

確かに俺、今すげえ大きな声出しちゃってた。転げまわって、騒いで…。元気っていうか、ただのウルサイ奴だったかも…。

いや、マジで落ち込んではいるんだけどねっ?


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