第42章 AngeL WorlD
アルデークは着ているアルバの胸元にある
裏ポケットから、
中に教会で清められた聖水が入っている
小さな瓶を取り出し、
机に並べられた短剣7本の刃に
少しずつ聖水を垂らした。
そして手のひらをかざし、目を閉じ念じると、
7本の短剣が柔らかい光を放ち始め、
しばらくの間、この状態が続いた。
アルデークが目を開け、
かざしていた手を下ろすと、
短剣たちは作り上げられた時より
さらに美しく磨きがかかり
ツヤツヤと輝いていた。
「ふぅ。
ちゃんと神の力の一部を宿せました。
これで完成です!!」
アルデークはため息とともに肩の力を抜いた。
「お疲れ様でした、アルデーク様。
親方、鞘が完成しました。
ここに置いておきます。」
そう従業員の一人が短剣を納める鞘を置いて、
キビキビと次の仕事に就いていったのを
一通り眺めてから、
ムドラは机の端に掛けてあった布に
残りの聖水を染みこませ、鞘を磨き始めた。