第21章 GoldeN YelloW WorlD
「あっ、重要なのはここから。
あの夢魔はね、
姿形はよく見る夢魔なんだけど、
僕の手に入れた噂によればね、
ちょっとだけ進化したやつなんだよ。」
リュウトは手で〈少し〉の仕草をした。
『??』
「うーん、なんにも知らないみたいだね。」
リュウトはまた残念そうにした。
「夢魔っていうのはね、
長く生き残るにつれて、
どんどん進化していくんだよ。
しかも、進化すればするほど、
強く、賢く、そして人間に近づく。」
『人間に・・・!?』
「そう。
夢魔っていうのはね、
人の悪夢が原因で生まれてくるんだ。
悪夢から生まれた夢魔達は、
僕ら参加者や、
この世界の住人を食って力をつける。
その量が多いほど、進化して強くなる。」
『でも、どうして人に近づくんですか?』
「夢とか悪夢って、
人の記憶の一部とも言われる。
その記憶を元に進化するからだよ。」
『なるほど・・・』
「で、あの夢魔は数人食って、
強くなっていたってわけ。」
リュウトの声色が少し重く、
低くなった。
「でも、君は、倒した。
あんな支給されただけの短剣で・・・」
琴乃は何となく、
次に言われることを察した。