第1章 S
そして、授業が終わりを告げた頃…。
『アレ、お願いしますね』
Lからの指令。
クタリ…と月くんの肩にもたれかかる。
「おい、どうした?」
周りの人達は、先程以上に騒いでいる。
「ごめんね…ちょっとクラッとしただけ…」
「心配だよ、大丈夫?」
「ん…大丈夫」
『だっ、大丈夫なんですか?具合悪そうですけど』
『黙って見ててください、松田さん』
『けどっ、何かあってからじゃ…』
『良いんです、放っておいてください』
鬱陶しそうに告げるL。
「栞、今日はここで帰るぞ」
「え、でも…」
「体調悪いんだろ?無理するなよ。
送ってくよ」
「…ありがとう」
月くんに肩を支えて貰いながら、大学を後にする。
「支えるから、鬱陶しかったら言って?
それと、帰り道も」
「うん」