第1章 S
ーin大学ー
「ここね…」
目的の大学を見上げる。
すると…。
「栞!」
月くんに呼ばれた。
『栞?』
イヤホン越しにLが尋ねる。
「久しぶり、月くん。
私の名前、覚えててくれたんだね」
『以前会った時に使った偽名か…』
1人納得するL。
「私も今日からここに通うことになったんだ。
よろしくね」
「あぁ、よろしく。案内するよ」
「ありがとう」
月くんの案内で大学内に入り、受講する。
なぜか周りの男女が騒がしいようだったけど、あまり気には止めないでおこう。
「こういうの、なんだかドキドキするかも」
「そう、か?」
「うん、ドキドキする」