第6章 事後報告
「萌ちゃんのその胸の正体は、心臓神経症だと私は思う」
絶対とは言えないけど、確率的にはこれが1番高い。
「え?…やっぱり、心臓の病気なんだ…」
じわり…と目に涙を浮かべる萌ちゃん。
いきなりこんなこと言われたら、誰だってこういう反応するよね。
「こら、話は最後まで聞いて?
これは症状が心臓に現れる、一種のノイローゼなの」
「ノイローゼ?」
そっか、まだ小学5年生だもんね。
知らなくて当然か。
「簡単に言うと不安とかが原因で起こる、神経の病気。
心療内科の先生のところを受診すると、すぐ良くなるよ」
「治るの?」
「治るよ、時間はかかるかもしれないけど。
腕の良い先生のところに紹介状書いてあげる」
「ありがとう…栞」
「どう致しまして。終わったよ」
Lの方を向いて、告げる。