第6章 事後報告
「でも、検査では異常は無かったんだよね?」
「し、栞もあたしが嘘ついてるって疑うの?」
「そうじゃないの。
検査には現れないものかなって思って。
大丈夫、疑ってなんか無いから」
そういうものも、事実存在するから。
「…異常無し、至って健康ですって言われた…」
「そう…ねぇ、萌ちゃん。
最近心配なこととかあったりする?」
1つの可能性を考慮して、質問を変える。
唐突な質問になのか、核心をついてなのか驚く萌ちゃん。
「…うん」
「それは、不安で不安で堪らないくらい?」
「うん…」
そのことを思い出してなのか、涙目でいる。
「そっか…」
これではっきりした、萌ちゃんの胸の痛みがなんなのか。
「やっぱり、あたし病気?」
「どっちとも取れるんだけど…」
まだ小学生の女の子に話して良いのか分からない。
「どうぞ、言ってください」
そうLに言われたから、話すことにした。