第6章 事後報告
「Sは基本敬語でトゲトゲしいです。
それに比べて雪は、可愛いです」
横からLが口を挟む。
「ちょっとL!」
「雪と2人で話そうなんて、考えないことですね」
「うっ…」
「あ、ねぇ。
そういえば他の皆さんは?」
「外仕事を頼みました、松田さんは余りです」
「そう」
「雪、明日はケーキで」
「分かったよ」
「あ、そうだ。雪」
「何?…んっ」
チュッ、と唇にLの唇が触れる。
「ご馳走様、美味しかったです」
お礼、とばかりにキスをしたのだ。
松田さんの目の前で…。
「人前だよ…」
「そんなの、私には関係ありません。
そこに松田さんが居るのが悪いんです」
一方の松田さんは、気まずそうに目を逸らす。
「雪の唇はいつも色っぽくて、甘い味がします。
それを食べるのも、悪くありません」
ニヤリ、と口角を上げるL。