第6章 事後報告
「それも分かる。
学生証や保険証は持って無くても、まぁ頷けるの。
けど、携帯電話まで無いのは少し不自然じゃない?
お財布も無かったし」
「あ、そこまで無いと確かに変かも」
「…その件については、あとで調べます。
それより、先にお菓子ください。
ワタリが居ないので、準備してくれる人が居ないんですよ」
「うん、分かった。
前に作ったマシュマロプリンが余ってるんだけど、食べる?」
「勿論」
「分かった、準備するね」
「それと追加で紅茶も」
「いいよ、松田さんもコーヒーのお代わり用意しようか?」
「あ、お願い」
「そういえば雪、どうでした?
久しぶりの病院は」
「変わって無かったよ」
準備する手は止めずに答える。
「今でも行ってるんでしょう?」
「月に数回程度ね。
でも、もしかしたら戻らなきゃかもしれない」
「なぜ?」
「人員不足、それと医者がボンクラ」
「はっきり言うんだね…雪ちゃん」