第6章 事後報告
ーinキラ対策室ー
「只今戻りました」
「おかえり、雪ちゃん」
「おかえりなさい。
…1人で帰って来たんですか?」
「え、うん」
ダメだったかな。
「あれ程危険だと言ったのに…」
「これからは気をつける」
「月くんの妹さんの様子は?」
「軽い脳震盪、だけど…」
「だけど?」
「事故じゃなくて、故意に起きたものだと思う」
「こっ、恋⁉︎」
「煩い、黙っててください」
Lから毒舌が飛ぶ。
「松田さん、あなたなら階段から落ちる時どうする?
勿論、意識のある状態で」
「どうって…頭を守ったり、手を付いたり…」
「そう。
普通は落ちる時、無意識の内に転がりを止めようとするか、頭を守るかするの」
「それらを行った形跡が無かったと?」
「うん、詳しくは診て無いから分からないけど。
それに、身分を証明する物が何も無かった」
「そういう時ぐらいあるよ、誰だって。
僕だってたまに忘れるもん」