第5章 本領発揮
それはですね…。
「この女性に、です」
写真を、月くんの目の前に突きつける。
「‼︎」
大きく目を見開く月くん。
その反応は、知り合いのようですね。
「どうしました?月くん」
「粧裕だ…それ、粧裕だよ。
俺の妹だよ」
「これが、妹さんなんですね」
もう1度写真をよく観察する。
どこかで見たことあると思っていたら、監視カメラで見ていた時に居た妹さんでしたか。
「なんで、流河が…?」
「知り合いから送られて来たんです。
偶然倒れている彼女を発見し、応急処置と救急車は呼んだが肝心の名前が分からない、と」
名前が分からなければ家族へも知らせようがありませんしね。
「持ち物に、身分を証明する物は持ってなかったか?」
「流石ですね、目のつけどころが刑事です。夜神さんは。
それが、そういう物は持ってなかった様です」
「じゃあL、粧裕は…」
「誘拐ではありませんでした。
今は恐らく病院か、向かっている最中でしょう。
病院へ向かったらどうです?」
「…そうするよ、流河」