第5章 本領発揮
ーL sideー
月くんの妹誘拐事件(仮)について整理していると、雪から写真が添付されたメールが送られて来た。
これが、その女性ですか…。
「どこかで見たような…」
写真の主が分からず、写真と睨めっこをしている。
思い出せそうで出せない、負けず嫌いの私にとっては許し難いことですね。
「一体なんの話なんです?L」
余計な口挟まないでくださいよ、もう少しで思い出せそうな気がするんですから。
「こっちの話で…あ」
問いかけて来た松田さんに少し文句を言おう見ると、松田さんの隣に居る月くんの横顔が目に入った。
この顔…。
そして、そのまま黙って月くんに近づく。
「ど、どうしたんだよ。流河」
急な接近に、若干たじろぐ月。
「どことなく似てますね」
携帯画面と月くんの顔を交互に見つめる。
「エ、L?似てるって何に?」
なんだか、久しぶりに模木さんの声を聞いた気がします。