第5章 本領発揮
ポケットに入れてあったペン型のライトで、念の為瞳孔を確認する。
「異常なし…消毒を始めます」
傷口をライトで照らしながら、消毒しガーゼを貼り応急処置をする。
傷口は綺麗に消毒出来たし、幸い傷も浅いから縫わなくても大丈夫。
痕に残ることも無いと思う。
他に外傷が無いかを再度確認する。
…ん?これ…。
「まもなく病院に到着します」
今ここで言うことじゃないと思い、口を閉じる。
病院に到着する頃には、処置も終わり少しずつ脈拍も安定して来た。
と、そこへ…電話が鳴った。
「すみません…」
「いや、出ても良いですよ」
許可を貰い、電話に出る。
面倒で、名前も確認せずに通話ボタンを押す。
「はい」
「あ、雪ですか?
そちらの彼女の身元が分かりましたよ」
Lからの電話だった。