第5章 本領発揮
『はい』
電話をかけて、僅か3コールでLが出た。
「L?仕事中ごめんね。
雪だけど…」
『どうしました?
あなたが、仕事だと分かっていてかけてくるなんて珍しいですね』
「少し、調べて欲しいことがあって…。
事件とは全く関係の無いことなんだけど」
『すみません。
調べてあげたいのは山々なんですが、こちらも立て込んでて…』
そうだよね、Lは世界の名探偵なんだから。
『どんなことですか?
内容だけ先にお聞きします。
内容次第では、そちらから調べて良いです』
「ある人の身元を調べて欲しいの。
今のところ、顔と学校名ぐらいしか分かっていなくて…」
『はい』
まだ話に続きがあることを悟り、肯定も否定もしないL。
「さっき、階段下で倒れているのを発見。
英集中学の女生徒で、身分証明書等は無し。
意識は無し、放っておくと危険な状態。
救急車を待っている途中」
要点だけまとめて、簡潔に話す。