第5章 本領発揮
「流石は夜神さんです、この状況でも取り乱さないとは。立派です」
場慣れしていますね。
「そんなことは無い」
あっさり否定されちゃいました。
「まぁ、そんなことはどうでも良いです」
私の興味外ですから。
「ではまず月くん、そこへ座ってください」
「だけどっ…」
「冷静になることが、解決する為に1番必要なことです」
どんな名探偵でも、まずは冷静になることから始めますから。
いつものあなたなら、分かっていることでしょう。
私の認めた、夜神月なら。
「…分かった。
ごめん、声荒げて」
「いえ、まずは話を整理しましょうか」
近くにあった紙を持って来て、メモをとる。
「まず、お2人が最後に妹さんを見たのはいつですか?」
これからの質問は夜神さん、月くんの順で答えてください、と付け加える。
「私は…昨日は帰っていない」
「そうですか、月くんは?」
「俺は…今朝…。
粧裕が学校へ行く為に家を出たところ」
学校へ向かったんですね。