第1章 S
「大丈夫ですよ。彼女はキラじゃありません。
彼女は “ S ” ですから」
警察関係者ならSと言えば通じると思いましたけど、どうやら甘かったみたいです。
だって…。
「え、S⁉︎ドSなのか⁉︎」
大きく跳び退き、驚く松田さん。
「違います、仮名のようなものですよ」
「あ、あぁ…そうだよな」
「S、シークレットのS」
「それで、どんな繋がりなんだ?お前ら。
見たところ、繋がりがありそうだが」
流石は夜神さん、目のつけどころが違いますね。
「Sは私の相棒です、恋人でもありますけど」
サラッとカミングアウトする。
「「相棒?恋人?」」
予想通り、目を丸くする皆さん。
この反応は、いつ見ても愉快です。
「それより、Lは彼をキラだと思ってるんだね」
Sの口調からトゲが取れ、タメ口になる。
「はい、彼がキラに1番近い人物であると私は踏んでいます」
その変化を横目で見て、私も態度を変えた。