第1章 S
「随分と手を焼いているみたいですし」
「貴方には言われたく無いですね」
トゲトゲしくLが言い返す。
「…捜査状況、教えてくれます?」
「どうぞ、そこにあるので好きに見てください」
さも興味無さ気に言い放つ。
「け、喧嘩?それより君は?」
Sって本名じゃないでしょ?
日本人みたいな顔立ちだし。
「人に名前を尋ねる時は、まず自分から名乗るのが礼儀なのではありませんか?」
「そうだね、僕は松田…」
そこまで言いかけたところで、頭に衝撃を感じた。
「痛っ…」
そのお陰で、自分の舌を食べるハメになってしまったではないか。
「何するんですか、相沢さん!」
「人に聞かれてそうホイホイ答えるな。
そいつがキラだったらどうすんだ?
顔と名前は明かさない、キラ捜査の鉄則だろ」
「すいません…」