第4章 1つのポッキー
授業中も、隣に居る彼女のことを考えていたら…。
「月くん?」
下から顔を覗き込むように、上目遣いに尋ねられた。
「え?あ、何?」
平静を装いつつも、心拍が跳ね上がったのを感じた。
「携帯、ずっと鳴ってるよ?」
栞に言われて、初めて気がつく。
ポケットの中の携帯が、引っ切り無しに震えていることに。
「今は休憩時間だし、かけ直して来たら?
結構何度も長く鳴ってたから、大事な用かも」
確かに、何度もかけるのだから大事なことだろう。
「そうする。
ごめん、荷物良い?」
「いいよ」
栞の優しさに頼って、席を後にする。
『もしもし、ーーーーです』
「えと、あの…」
発信源に驚き、思わず言葉を詰まらせる。
『夜神月さんですね?』
「あ、はい」
『実はーーーー…』
電話相手も勿論、その内容も驚くべきことだった。