第4章 1つのポッキー
電話を切り、席へ戻ると急いで荷物をまとめる。
「どうしたの?」
心配そうに尋ねてくれる栞。
「うん、ちょっと…」
ごめん、話してる時間無いんだ。
「ごめん、用事あるから…」
せっかく心配して話しかけてくれた栞を冷たくあしらって、急いで大学を出る。
そして、まずは家へ向かう。
「ーー‼︎」
目的のーーを探したが、見つからなかった。
父さんへは連絡入ってるのか…?
親じゃなく俺のところにかけて来たってことは、十中八九父さんと連絡が取れなかったのだろう。
父さんが居る場所と言えば…。
1番に浮かぶのは、あの場所。
そして、その場所を目指して走り出す。