第1章 S
ーキラ対策本部ー
「捜査は難航中、ですね…」
深い溜め息を零す松田と、その他の捜査員。
「こうなっては仕方ない…待っていても動いてくれるとは限りませんし。
ワタリ、Sを呼んで」
「Sを?」
「そう」
「また怒られますよ」
と、言いながらどこかへ連絡するワタリ。
「おい、Sってなんなんだ?」
「そう焦らなくても、会えば分かりますよ。夜神さん」
そして、数分後…。
ギィィッ…。
ワタリの案内無しに、扉が開いた。
「久しぶりの出番だね、L。私としては」
「はい。Sとは、そうですね」
なぜかSを強調して言うL。
Sと呼ばれた彼女は、漆黒の長い髪に白いブラウス、黒いタイト目のパンツと言うシンプルなスタイルだった。
しかし、そのシンプルさのどこかに魅力のようなモノを感じなくもない。
「変なこと考えないでください、松田さん」
と、ポツリとLが言った。