第3章 甘党×フルーツ党
パクリ、と一口食べると…。
生地の甘さと、トッピングの甘さが口全体に広がる。
そして、鼻腔を抜ける。
「どう?」
「美味しい…」
頬張るのは止めず、感想を言う。
「良かった。
じゃあ私、昼食用の作って来るね?
ワタリさん、用事終わりそうも無いみたいだし」
なんの用かは分からないけど。
キッチンへ戻り、息を吐き出す。
「美味しそうに食べてくれると、嬉しいな…」
ひっそりと、優しげな笑みを浮かべる雪であった。
「さて、と…作ろう」
冷蔵庫からバナナ、さくらんぼ、苺を取り出す。
それとマシュマロ。
バナナを使ってマフィンを、さくらんぼでパイ、苺を使ってフレンチトーストを作る。
あと、マシュマロを使ったプリンも。
Lの為に料理を考えてる時も、作ってる時も、食べてるのを見るのも、全部好き。
なんだか心が暖かくなる。