第3章 甘党×フルーツ党
「雪、お代わり」
ズイッ、とお皿を差し出すL。
「ダメ、ビタミンCも摂らなきゃ。
脚気(カッケ)になるよ」
「今のセリフ医者っぽい!
ところで、脚気って何?雪ちゃん」
「ビタミンCが足りない為に、脚が痺れたり浮腫んだりする病気」
「あ、そうなんだ」
「それは、戦時中に多かった病気ですね。
医者みたいも何も、雪は医者です」
「え、そうなの?」
「まぁ…」
「へー、凄いね」
「ありがとう。
L、フルーツで何かお菓子作るから食べて」
「…まぁ、雪が作ったのなら」
その返事を聞き、キッチンへ向かう。
冷蔵庫は2つあり、1つはLの砂糖菓子専用。
もう1つは、私のフルーツ専用のだ。
中身を切らさないよう、ワタリさんがいつも買い足してくれている。