第2章 二重人格者
「1人で留守番ですか。
可哀想ですね、松田さん」
「L、ワタリさん出掛けたよ」
「そうですか…戻ってますね。雪に」
「うん、ダメだった?」
「いえ、別に」
「あれ?なんかさ、雰囲気違くない?」
「二重人格者ですからね」
サラッとカミングアウトをするL。
「え⁉︎そうなの⁉︎」
「私からの仕事の時だけ、Sが出て来ます。
敬語のがソレです。
タメ口でもツンツンしているのは、皆さんの前だからですよ。
私と2人きりの時は甘々です」
「L、余計なことは言わなくて良い」
「必要事項です」
「そうかな?」
「雪、着替え」
スッと立ち上がったLの新しい服を持ち、着替えさせる。
いつもはワタリさんの仕事なんだけど、今は居ないから。
「雪、紅茶」
「分かった」
完全に2人の世界である。