第2章 二重人格者
「起きましたか?S」
「はい」
「話は?」
「見てました」
今度はSやLも、敬語になる。
ここまで来ればお分かりだろうか。
そう、今居る彼女は雪のもう1つの人格、Sなのだ。
「月くんと、学校で度々会ってください。
その後進展があれば、報告をお願いします」
「分かりました」
「L、あまり詰め込み過ぎるなよ。
皆が皆、お前のようじゃないんだ」
「分かってます、それなりの休息は与えてるつもりです」
「休息は貰ってるので、安心してください」
親らしい発言をした夜神さん。
「そうか」
「それから、皆さんでもう1度容疑者を洗ってください」
「分かった。
模木と相沢は現場へ、日村さんは署に戻って情報を」
「あの、僕は?」
「留守番を頼む、俺も1度署に戻る」
「お、お気をつけて…」