第2章 二重人格者
「ちょ、ちょっと!」
「煩いです松田さん、問題ありません」
「いやいや!問題大ありでしょう!」
大声を出す松田さんは無視して、Sを見やる。
「ん…」
「起きましたか…雪」
「うん」
「話はSを通じて見ているんだろう?」
「ん」
タメ口のL。
「お前は、どう思う?」
「私は、二重人格者なんじゃないかと思う」
Sも、タメ口になる。
「それなら、1回目に会った時と2回目に会った時の変化にも頷ける」
「それで?」
「ただ、二重人格者は片方が出てる時はもう片方は眠っているのが普通。
眠っていても、見えている人も居る人が多いけれど」
「月くんが二重人格者である可能性は?」
「今のところ2、30%」
「では、キラである可能性は」
「80%ぐらい」
「微妙…」
ポツリ、とLの口から本音が漏れる。
「仕方ないでしょ?
気づかれないようにSと変わるのは、骨を折ったんだから」
「知ってる」
完全に、2人だけの世界になっている。