第2章 二重人格者
「骨の内側にある臓器が圧迫され、止まるんですからそれを覆う骨が無事な筈ありません。
少なくとも、骨が折れたり変形したりはしている筈ですから。
しかし、キラの被害者にはそんな形跡は見られませんでした」
一通りの報告をする。
「そうですか」
「なんで、被害者の情報まで分かるんだ」
しまった…そう思い、Lを見る。
夜神さんって、思ってた以上に鋭いんだね。
「そんなこと、私の力でどうとでもなりますよ。
それよりS、そろそろ戻ってください」
「…簡単に言いますけど、反転剤無しに替えるの辛いんですよ?
先程も言いましたよね?」
「ええ、知ってます」
「… “ 雪 ” の身体の負担のことも考えてください」
「分かってます、後でちゃんとしときますから」
「分かりました…」
そう言うと、フッ…とSの身体から力が抜け崩れる。
「ほいっと…」
それを、ワタリが受け止める。