第2章 二重人格者
Lの居る、キラ対策室へと戻る。
「おかえりなさい」
「ただいまです、L」
「…Sのままですね」
「いけませんか?コロコロ替えるのは辛いので」
「まぁ、良いです。
早速ですが報告をお願いします」
「…私の見立てでは、夜神月は黒の可能性の方が今は高いです」
完全にそう思った訳じゃないから、少し言葉を濁す。
「そうですか」
「そう思う根拠はなんだ?」
堪らず口を挟む夜神さん。
「キラの殺害方法は心臓麻痺です。
心臓麻痺とは、心臓が急に止まることです。
急に止まるのですから、なんらかの圧迫がかかったのでは無いかと最初は思いました」
「それが一体、なんの関係があるのですか?」
冷静に、日村さんが問いかけた。
「殺害方法について、消去法をとろうと思いまして。
…心臓は本来、骨や筋肉で守られています。
なんらかの手段で心臓が圧迫されたのならば、それが死後の身体に現れる筈です」
「ほぇ?」
「マヌケな声を上げないでください、松田さん。
気が散ります」
「すいません…」